お葬式でありがとうは言わない?

 


葬式は大切な人との別れの場所、そんな場所だからこそ言ってはいけない言葉があります。しかし、その言葉の中に「ありがとう」は含まれていないそうです。


このような疑問を解決するためには、葬式でのいわゆる「忌み言葉」というものを理解しなければなりません。今回は葬式と忌み言葉、そして「ありがとう」との関係性を詳しく説明します。



葬式とお通夜の意味と本当の理由



亡くなった方を見届ける儀式は基本的に3つの手順があります。お通夜、葬儀、告別式です。葬儀と告別式をひとまとめにお葬式と呼ばれていますが、それぞれの儀式の意味、本当の理由を見ていきましょう。

◎お通夜

お通夜には一晩明かりを消さずに、ご遺体を見守る儀式といった意味が込められています。また、かつては亡くなった方が蘇ることを願って行われていたことで、この儀式では親しい人たちで集まり、別れを告げます。その後、親族から参列者や僧侶に感謝の気持ちを込めて「通夜振る舞い」と呼ばれる食事の席を設けます。

◎葬儀

葬儀は、ご家族や友人、彼氏、彼女、知人などが集まり、亡くなった方の冥福を祈り、葬るための儀式です。宗教によってやり方が異なり、例えば仏教なら読経や焼香、キリスト教なら聖書の朗読などが行われます。お通夜の翌日午前中に行われ、およそ1時間〜3時間ほどの儀式になります。

◎告別式

最近では葬儀とセットで行われることが多く、あまり認知されていない儀式でありますが、もともとは遺族や親族が最後の別れを告げる場として設けられていました。主に葬儀の後に行われます。



忌み言葉とは。挨拶や返事はどうすれば良い?



冒頭でも述べたように、冠婚葬祭の場では言ってはいけない挨拶、言葉、返事があります。使ってしまうと「縁起が悪い」とされる言葉を忌み言葉といいます。

忌み言葉とは葬式では非常にたくさんの言葉が忌み言葉とされています。しかし、その言葉を見ていくとある共通点によって分類やそれ以外にイメージができます。先に言っておきますが「何も言えなくなるのでは…」と心配する必要は一切ありません。ざっと忌み言葉を見ていきましょう。

《使ってはいけない忌み言葉。禁句。》

・またまた

・いよいよ

・再度

・繰り返し

・去る

・別れる

・追って

・再び

葬式では不幸を連想させる言葉、繰り返し起こさせる言葉を忌み言葉とされています。その忌み言葉は主に4種類に分かれます。

    1 繰り返す重ね言葉

    2 再婚を想起させる言葉

    3 夫婦の離別を想起させる言葉

    4 不幸や死を連想させる言葉

このほかにもいくつかありますが、今述べたような忌み言葉をざっくりとイメージをしておけば大丈夫でしょう。



ありがとうは言わないという誤解が生まれたのはなぜ?



葬式のマナーでよくある勘違いとして、「ありがとう」を言ってはいけないということがありますが、これも冒頭で述べたように全く問題ないです。葬式は親しい人が亡くなるという不幸事であるのに「ありがとう」と感謝の意味をいうのはいかがなものかと思う人もいると思いますが、おそらくこれが勘違いを生んでしまっている原因と考えられます。

しかし、葬式でいってはいけないとされている「忌み言葉」などにはしっかりとした理由があることは先ほど述べた通りです。「ありがとう」は感謝の気持ちを伝えるものであり、参列者に対し親族がお礼を述べるのも、返礼品を受け取った際にお礼を述べるのも当たり前のことであり何もマナー違反になることはありません。しっかりとした言葉づかいで感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。



注意すべきお礼の使い方。葬儀に来てくれた人へのお礼の言葉はどう言う?



葬儀に来てくれた人へのお礼の言葉、

注意すべき点としては、感謝の言葉を伝えるとき、ただ「ありがとう」「ありがとうございました」と述べるのは少し控えた方がいいかもしれません。というのも、答礼といった弔問に来てくださった参列者のあいさつに対してお礼を言う際には、何に対してのお礼なのかはっきりさせないといけません。参列していただいたことに対してのお礼なのか、生前にお世話になったことに対するお礼なのか、いろいろあると思います。また、葬式でよく使われるお礼の言葉に「お心遣いありがとうございます」がありますが、これは香典やお供物に対するお礼であり、まだいただいていない方に対して使ってしまうと、相手からしたら「催促されている」と受け取ってしまうことがありますので注意しましょう。

マナー違反ではないことが分かったとして、中には本当に大事な人を亡くしてしまって、その葬式でどうしても感謝の言葉を述べるのが辛い、ありがとうが言えない、お礼が言えない人、

そんな方もいるかと思います。

その時には男性・女性とも

「恐れいります」が使えるでしょう。「ご愁傷さまです」「ご愁傷様です」などに対しての「恐れ入ります」は非常に丁寧な返しになります。



葬式で使えるメッセージや言い換え




これまで述べてきたことを踏まえ、葬式で使えるメッセージや言い換えの一覧を紹介します。


◎忌み言葉の言い換え


忌み言葉

言い換え

再び

今一度

つくづく

心から

引き続き

これからも

忙しい

多用

次に

その後、新たに

死ぬ

ご逝去

ますます

一段と





◎実際に使えるメッセージの例文

・心よりお悔やみ申し上げます。

・ご冥福をお祈り申し上げます。

・心から哀悼の意をささげます。

・謹んで~

これらは基本のメッセージになりますが、大事な文なので押さえておきましょう。また、メッセージを送る際、何か亡くなった方との思い出話などを添えると気持ちが伝わりやすくなります。



お礼、ありがとう


ありがとうは葬式で言ってはいけない言葉ではありません。時と場合によってしっかり使い分けて感謝の気持ちを伝えましょう。

メールであってもきちんとしましょう。

また、今回の記事で葬式の流れや意味、忌み言葉や実際に使えるメッセージや言い換えも何となくわかったのではないかと思います。

冠婚葬祭になれていない人からすると忌み言葉やマナーがわからず混乱するかもしれませんが、決して難しいことではありません。これを機に少しずつ知識をつけていってもらえればなと思います。


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